「ほら、シャルロット。口の周りにソースがついてるわよ」
  そう言いながら、リースは手に持っていたハンカチでシャルロットの口をぬぐう。
「んぷー…」
  ハンカチで口元を拭われながら、シャルロットはややうざったそうに目をつぶる。
  昼頃にこの町に到着し、今は遅めの昼食を終えたばかりであった。
「いやー、食った食った。やっぱりちゃんとしたメシは腹にたまるなー」
  デュランは満足そうにぐっと伸びをする。食卓の上には、ウェイトレスがあきれるほどの空の食器が
山と積まれていた。
「ここんところ野宿ばっかだったもんなー」
  ホークアイもにこにこと相槌をうつ。
「いつまでこの町にいるんでちか?  すぐに出ちゃうんでちか?」
  拭いてくれるリースの手から逃れ、シャルロットがテーブルにちょっと身を乗り出す。
「一泊しとこうぜ。野宿ばっかりじゃとれる疲れもとれねーよ」
「賛成。今日は風呂にでも入ってのんびりしよーぜ」
  デュランの意見にホークアイがすぐに賛成する。
「急ぎの旅っつってもな。休まないと」
  そう言って、デュランは立ち上がった。
「もう出ちゃうの?」
  店を出るのかと思ったシャルロットは指をくわえてデュランを見上げる。
「便所だよ」
  それだけ言って、デュランは席から離れて行った。


「あ!  ねぇねぇデュランしゃん!  シャルロットこれ欲しー」
  レストランのカウンターには、子供向けのオモチャが子供の目線のあたりに並べられていた。それを
指さして、シャルロットはデュランの手を引っ張る。
「そんなもん、いらねーよ」
  そっけなく言い放ち、首をこきこき鳴らしている。
「ぶうぅ!」
  シャルロットは頬を膨らませた。
「ねえぇ、リースしゃん!  シャルロット、このヤジロベエ欲しいでちー!」
  デュランは駄目だと思ったシャルロットは、今度はリースを見上げ、彼女の手を握る。
  リースは困ったようにシャルロットを見る。シャルロットの目が涙でにじんできた。
「あの、デュラン…?  一つくらいなら…」
「ダメ!  そんなもん買ったって、どうせ荷物にしかなんねーんだから」
  にべもなく断るデュラン。ホークアイが清算を済ましたのを見ると、すたすたと店の外に出てしまっ
た。
「ぶぅぅ!  ケチンボー!」
  シャルロットは口をとがらせてデュランをにらんだ。
「行こうぜ」
  ホークアイにうながされ、リースは困ったようにシャルロットを見た。彼女はリースの手を握り、泣
きそうな顔でうつむいていた。
「リース?」
「あ?  はい…。シャルロット…?  行きましょうよ、ね?」
  ホークアイに呼ばれて、リースも我にかえり、優しくシャルロットに問いかける。
「……わかったでち…」
  小さくそう言って、リースの手を握ったままシャルロットは歩きだした。リースもちょっとホッとし
て、一緒に歩き始めた。


  ちょっと歩いた先で、デュランとケヴィンが残りのみんなが来るのを待っていた。
「宿屋なんだけどなー。この先にある一件と、南のほうにもう一件」
  町の人に聞いておいたデュランが、ホークアイ達が追いついてくるなりそう言った。
「で?  どっちが安いって?」
  経済観念が発達しているホークアイはすぐさまそう尋ねた。
「南の方が安いって。一応、個室がつくらしいぜ。メシは当然ねーけど」
「んー…」
  ホークアイは腕を組んで考え出した。南の方へ行けば飯は全部自前で。この先にある方は高いかわり
に食事がつく…。
「よし、南の方へ行こう。」
「まーた安いトコ行くんでちか」
  ホークアイがすぐに決断を下すと、シャルロットがジト目で彼を見た。
「もっと他に金をかけるトコはあるんだから。文句言わねーの」
  そう言って、ホークアイは西の方に歩きだす。それに、デュラン達も続いたので、シャルロットもそ
れに続いた。


  夕食は自前持ち。つまり外食するか、台所は貸すから、自分たちが持ってきた食材で勝手に料理しろ、
の二択が安い宿屋における食事の基本である。要するに寝食する場所を提供してくれるだけというもの
だ。小さな村ではこういう宿屋だけ、というのも別に珍しいものではない。
  そして、パーティは夕方の市場で、食材を買いに来ていた。野宿の時のための食材も含めての買いだ
しである。
「えーっと…、これは買った、これも買って、あれも買った…と」
  袋の中身を確かめながら、ホークアイは指折り数えている。
「旅の食料は買ったからなー、あとは今日の夕飯の材料だなー」
  夕陽をながめながら、デュランはのんびりと言った。
「何がいいかなぁ…」
  料理をする、というよりできるのはデュランとホークアイだけなので、一応献立は彼らが決める事に
なっているのだが、メニューにあまりポリシーを持っていないせいか、二人の作る料理には創意工夫と
いうものが見られない。
「…卵焼きにでもするかなぁ…」
  すぐに割れ、保存が面倒な卵は、冒険時の食材には非常に向かないものである。こういう時にこそ食
べておきたいものとも言えるかもしれない。
「いいでちねぇ。デュランしゃん、シャルロットのには、いつものよーにミルクとお砂糖を入れてくだ
しゃいね」
「わかったわかった」
  デュランは甘党のシャルロットにあわせて、ミルクと砂糖入りの卵焼きを焼いてあげているのだ。
「不公平だと思うんだけどなー」
  ジトッとした目で、アンジェラがデュランを見る。
「しゃーねーだろ?  まだガキなんだからよ」
  デュランはそう軽く受け流し、露店に並べられた食材を眺めている。アンジェラはどーもデュランが
シャルロットに甘い事が気に入らないようである。
「よっ、おじょーちゃん。おにーちゃんに買ってもらいなよ」
「違いまちよー。この人わたちのおにーちゃんじゃないでちよー」
  デュランと一緒に露店をのぞいてるシャルロットが、店の人に兄妹と間違われている。一緒に冒険し
はじめてから、間違われる事は少なくない。
「どーちてこの愛らしいびしょうじょと、ごっついにーちゃんのデュランしゃんとが兄妹に見えるんで
ちかねー」
  シャルロットは腕を組んで、小首をかしげる。デュランはよく言うぜとでも言いたそうな顔をしてい
たが、口にはしなかった。
「やっぱり雰囲気がそうさせるんじゃねーの?」
  ホークアイが持っていた袋を、ケヴィンに手渡しながら言う。
「シャルロットの持つフンイキが、デュランしゃんの持つフンイキと似てるって事でちか?」
「違うよ。おまえ、リースとも姉妹とも間違われるだろ?」
「そりゃま。シャルロットもリースしゃんもうつくしいでちからね。でもシャルロットの方がうつくし
……」
「リースもデュランもガキの面倒見るの好きみたいだからな。一緒にいる雰囲気がそう見えさせるんだ
ろ」
  シャルロットの言うことを最後まで言わせずに、ホークアイが次ぎの言葉を続ける。
「別に面倒見るの好きってわけじゃねーぞ、俺は」
  それを聞いたデュランが口をとがらせた。
「そうかねぇ。俺から見ると、おまえ、ガキの面倒見は良いヤツだぜ?」
「……うー…ん…ま…、妹がいるからな…。そう見えるのかもな…」
  ちょっと考えてから、デュランがそう言った。
「ん?  なにふくれてんだシャルロット?」
「自分のムネに聞いてみるでち!」
  ホークアイがむくれているシャルロットに気づいて話しかける。どうやら自分の言う事を無視したの
が気に食わなかったらしい。
「…だっておめーの言ってる事、くだらねーんだもん」
「なんでちって!」
「おい、シャルロット。それで、卵焼きでいーんだな?  卵焼きにしちまうぞ」
  卵売り場の前でデュランがシャルロットに話しかける。
「え?  そーでちねぇ…」
  さっきまでふくれていたくせに、シャルロットはすぐに上機嫌になってデュランの方へとすっとんで
った。
  それを見て、ホークアイとリースは顔を見合わせて苦笑した。


「ママー!  だっこして、だっこ!」
  3、4歳くらいの女の子がだっこを母親にせがんでいる。
「もう、しょうがないわねぇ」
  苦笑して、母親は女の子を抱き上げた。抱っこされた女の子はキャッキャッと喜んでいる。
「………………」
  その光景を、リースがぼんやりと眺めていた。
「どーしたんだ、リース?」
  デュランに声をかけられ、リースはハッとなる。
「あ、すみません。ちょっと通りの親子を見ていて…。やっぱり、あの年代くらいの子供が一番可愛い
ですね」
「そーかぁ?  どの年代だろーが、ガキは手がかかると思うがなぁ」
「そりゃあ、そうですけど。でも、可愛いじゃないですか、子供って」
「ま。可愛さを取ったら何ものこんねーからな。ガキってのは」
  言って、デュランはシャルロットを見る。彼女はケヴィンに肩車をしてもらいなにやら喜んでいるも
よう。
「確かに可愛いだけが取り柄かもしれませんけど、それだけでも十分なくらいじゃないですか」
  リースがにこにこしながら去っていく親子を眺めた。
  彼女の言ってる事がわかるのだろう。デュランも小さく笑って、かの親子を眺める。
「おーい、早くこいよー」
  ホークアイに呼ばれると、二人は慌てて彼のところに小走りした。


  この町で一泊した後、みんなは次ぎの目的地を目指して出発した。
「いくら近道だからって、こんな薄気味悪い森を通らなくても…」
  アンジェラが文句を言いながら、この森を見回す。
  確かにここは薄気味悪い森だった。うっそうと気が生い茂り、陽光をさえぎっている。真昼だという
のに、森の中は薄暗い。おまけにここに群生している木は曲がりくねっているものが多く、それがいっ
そう不気味さをかもしだしていた。
「でもよ、街道通るとすげー遠回りになるんだ。そっちだと十日もかかるんだぜ、十日も。こっち通れ
ば二日ですむってんだから、我慢しろよ」
  先頭を行くホークアイが、振り返ってたしなめる。
「なんだって、モンスターの遭遇率の高いこっちをわざわざ選ぶのよ。余計に時間がかかるかもしれな
いじゃない」
  未だ文句をぶつぶつ言っている。いつのまにか、彼女はしんがりを歩いていた。
  不意に、誰かが彼女の髪の毛を引っ張った。
「やめてよ」
  それを手でふりはらい、彼女はすたすたと歩き続ける。
  そしてまた、誰かが彼女の髪の毛を引っ張る。
「やめてって言ってるでしょ!」
  邪険に手でふりはらい、さっきよりも大股で歩きだす。
  歩きだして、彼女はあることに気づいた。前を歩いているのは5人。どこをどう見たって5人。自分
は彼らの一番後ろを歩いている。自分が一番最後のハズなのだ。では、この後ろにいるのは誰なのか?
  背筋に冷たいものが走る。恐る恐る、彼女は後ろを振り返った。
「キャアアアアアアアアッッ!」
  アンジェラの絶叫が前を歩いている5人の足を止めた。
「なっ…」
  振り返った前の5人も一瞬絶句する。青白い子供の顔が縦にズラリと並び、それぞれの顔の横に子供
の腕が伸びている。その異形さに、全員がアッケにとられた。
「ねぇ、遊ぼうよ…」
「遊ぼう…」
「アソボー…」
  それぞの口から子供らしい舌足らずの声が聞こえるが、そんな可愛らしい、などとはかけはなれたも
のに言われ、全員が全員顔を引きつらせた。
「やっ、……ヤダーッ!」
  アンジェラが半泣きしてダッと駆け出す。
「遊ぼうよ…」
「あそぼう…」
  しかし、不気味なアレは口々につぶやきながら追いかけて来た。
「お、追いかけてくるーっ!」
「うわああぁぁっ!」
  みんな顔面蒼白になっていっせいに走りだした。6人でかかれば倒せなくないモンスターなのかもし
れないが、生理的嫌悪感が勝り、戦おうという気すら起きなかった。
「うきゃーっ!」
  飛び出した木の根っこにけっつまずいてシャルロットが転んだ。
「シャルロット!?」
「シャルロット!」
  シャルロットを置いていくほど薄情ではない。デュランは慌てて駆け寄った。
「早くしろ!」
「へうう、えっぐえぐ」
  目から出てくる涙をふいて、シャルロットは立ち上がる。その間にも、魔物はゆっくりはねながらこ
ちらに近づいてくる。
「ちっ!」
  剣を抜き放ち、デュランはシャルロットと魔物の間に立つ。そのあいだにも、ケヴィンはシャルロッ
トを助け起こした。
「遊ぼう…」
「あそぼうよ…」
  子供達の顔が全員ニヤけたような笑みに変わった。
「ねえ…!」
  そして、いっせいに手がにょきにょきっと伸びはじめたのだ。
「うおっ!?」
  さすがのデュランもこれにはかなりビビった。よく見ると、その手に手にオモチャを持っていた。
「あそぼう!  僕たちと!」
  子供たちの目がいっせいに光り、手が次々とデュランに襲いかかる。
「でええっ!?」
  デュランは後ろに跳び退ったが若干遅かった。子供たちの手がデュランを包み込む。彼の周りが白い
靄につつまれる。
「デュラン!」
「デュランしゃーんっ!」
「チッ!」
  ホークアイはとっさに懐からスパナを投げ付ける。
  ゴインッ!
「ギャ…」
  スパナが命中し、魔物が後ろによろける。
「ホーリィボールッ!」
  バランスを失った魔物に、今度はアンジェラの魔法が炸裂した。
  ドゥンッ!
  小爆発を起こし、辺りの空気が白く燃えた。
  聖属性の攻撃はあまり効かないらしく、魔物は少しよろめいただけだった。しかし、魔物の戦意をそ
ぐ事には成功したようだ。
「キライだ…」
「嫌い」
「きらいだーっ!」
  攻撃をくらった魔物は、顔を引きつらせ、泣きそうな顔をそれぞれに浮かべ、ゆらゆら跳ねながら遠
ざかっていった。
「はぁ…」
  全員が安堵の息をついた。
「やれやれ…。ロクでもねぇヤツがいるもんだ…」
「だからこんな森、通るのイヤだったのよ」
「んなこと言ったってよー」
「みなさんケガありませんね?  デュラン。大丈夫でしたか?」
  リースが全員の安否を気遣う。
「ったく、とんでもねぇなぁ!」
  ん?
  聞き覚えがあるが、よく知っている声でもない事にみんなが違和感を覚えた。
「あれ…?  なんだ…?」
「デュ……デュランしゃん!」
  シャルロットの顔が真っ青だ。シャルロットだけではない。みんな、真っ青な顔でデュランを見てい
た。
「な…、なんだよ、みんなして、なんて顔で見てんだよ…」
  デュランは不安が隠せず、ややひきつってみんなを見上げた。そう、見上げたのだ。
  見上げる!?  なんで立っている俺がシャルロットを見上げているんだっ!?  ちびっ子にしちゃ視野が
高すぎるし…。ん?  あ…!
「デュランが…、デュランが子供になっちゃったーっ!」
  ちゃったー…
  ったー…
  たー…
  不気味な森にアンジェラの声が響き渡った。


「んで?  どーすりゃ良いと思う?」
  とりあえずさっきの町に戻り、宿をとって部屋に入り、デュランを囲んでホークアイが第一声をあげ
た。
「…あの、まず…」
  リースがおずおずと手をあげたので、みんな彼女の方を見た。
「子供用の服を買った方が良いかと思うんですけど…」
「………………………」
  子供にされたので、デュランが今まで着ていた服はとても大きすぎる。彼のはいていたトラクンクス
がまるで大きめの半ズボンのように見える程だ。
「………そうだな…。じゃ、安いモンをひとつ買うか…。あと、町の人にあのバケモノの事も聞かない
といけないし…」
  ため息混じりで、ホークアイは子供になったデュランを見た。
  3、4歳くらいだろうか。とっても小さくて、愛らしくて、あのいかついデュランからは想像もでき
ないほどであった。
「このガキがあーいう風に育つのか…」
「どーゆー意味だよ?」
  ムスッたれた顔でデュランはホークアイをにらみつける。声も子供に戻ってかん高い。ただ、中身だ
けは元のデュランのままなのだ。


「安いのだぞ!  いっちゃん安いのだかんな!」
  ホークアイが何度も注意するが、女の子たちは聞いているのだろうか。
「これなんか可愛いですねぇ。ほら、ワンちゃんがついてる」
「こりこり!  ラビのアップリケがついてまちよー!」
「これなんかよさそうじゃない?」
  まるで自分の事のように女の子たちがはしゃいで、男の子用の子供服をあーだこーだ言っている。
「デュラン、ちっちゃいなぁ。なんか、フシギな感じだ」
「俺もフシギな感じだよ…」
  ケヴィンは物珍しげに終始デュランを眺めている。
「やっぱりこれですね!  値段といい、デザインといい、これが一番だわ!」
  協議の結果、というかほとんどリースの独断で、水色のツナギのズボンがデュランにあてがわれる事
になった。
「だいじょうぶ?  一人でお着替えできる?」
「できるに決まってんだろ!」
  リースが中腰になってデュランに話しかけると、デュランが真っ赤になって怒り出した。
「そっかー。
えらいねー」
「……………………」
  デュランは血管が浮き上がりそうになるほど、リースをにらみつけていたが、やがてため息ついて試
着室へと入った。
「…あのさ、なりは子供でも中身はそのまんまなんだからよ。その子供扱いやめてやれよ」
  ホークア
イが呆れてリースを諭す。
「ええ…。わかってはいるんですけど、どーしても子供を見てると…」
  苦笑して、リースは試着室に目をやる。デュランが子供化されてからというもの、リースがやたらウ
キウキしはじめたのである。
「デュランって子供の頃はあんっなに可愛かったんですねー」
「ほーんと、意外よねー。もっとハナタレの可愛くないガキだと思ってたのに」
「今の方がだんぜん良いでちよね!  お顔は!」
「えらい言われようだ…」
  女の子達の勝手な意見に、ホークアイはデュランになんだか同情したくもなってきた。
「全部聞こえてんだぞ、おまえら!」
  プンスカしながら、デュランが試着室が着替えてでてきた。わぁっと小さな歓声があがった。
「かぁわいー!」
  女の子たちがいっせいにデュランを取り囲む。
「わああ、やめろやめろ!」
  リースが思わず抱き上げようとしたので、デュランは必死になって抵抗した。
「なにするんだよ!」
「怒っちゃってもー」
  デュランは顔を引きつらせて怒っているのだが、その表情でさえ可愛く見えるリースにはまるで効き
目がない。
「こーんなぷにぷにのほっぺしちゃってぇ」
  にこにこと、デュランのほっぺを指でつっつく。デュランが怒りでブルブル震え出した。
「だからリース。なりは子供でも、中身はそのまんまのデュランなんだから…」
「そうなんですよね…。わかってはいるんですけど…」
  あんまりわかっていなさそうだな…。
  ホークアイはデュランをまたもあやしはじめたリースを見て思った。



                                                                  続く→