「はい、Aランチセットお待たせしました!」 「うっひゃー、待ってたぜー。オレもう腹ぺこだよ!」 既にオセの中華丼のセットと、クロエのお子様ランチセットは来ていたのだが、パスタ セットは少し時間がかかるらしい。向かいで食べるオセの中華丼を物欲しそうな目で見て いたルークだが、やっと来た昼食に諸手をあげて喜んだ。 メイド喫茶なるものはよくわからないが、メシが美味けりゃ何だっていいや。とは、食 べながらオセが思った事である。 みんなが夢中になってお昼を食べている最中であった。ケチャップライスのてっぺんに 乗っけられたエビを口にいれて足をぱたぱたさせていたクロエは、自分と仲良くしている ヒカリが忙しそうに立ち回っている姿を目で追っていた。 そして、ある事に気づく。 フォークを口に入れたまま、しばらく彼女の姿をじっと見ていたクロエだが、フォーク を口から外して大きな声を出す。 「ヒカリ〜! ヒーカリ〜!」 屋内だし、おまけに人口の少ない街だからほとんどが顔見知り状態だ。ヒカリはすぐに 気づいてクロエの方を向く。 「なに? どうしたの?」 慣れない仕事で疲れ気味ではあるが、クロエの相手ができないほど疲れ果てているわけ ではない。ちょっとくたびれた笑顔を浮かべながら、ヒカリはクロエの近くに来た。 「ね、ね、ヒカリ、来て、こっち来て。もっともっと」 「ん?」 ぱたぱたと手を振って、さらに近づくようにクロエが指示するので、ヒカリは言われる ままにどんどん彼女に近づいた。 昼食に夢中になっていた面々だが、クロエが何をするのだろうとそれぞれ食べながら彼 女の動向に注目している。 「ヒカリ、今日はやけにおっぱいおっきいのだ」 クロエはそう言って、側まで来たヒカリの胸を両手でぐにゅっとわしづかんだ。 「ひゃっ!?」 「ぶっ!」 「ぐふっ!」 「ぶふーっ!」 ちょうどその席にいた3人が3人ともそれを見ていたものだから、オセとボアンは食べ 物をふきだし、ルークは飲んでいたミルクを鼻から勢いよく吹き出す。 「ちょ、ちょっとやめてよクロエちゃん!」 顔を真っ赤にしながら、ヒカリは胸を押さえて後じさった。食べ物を吹き出したオセと ボアンは、口を押さえてわずかに震えながら突っ伏し、鼻からミルクを吹き出したルーク は鼻をおさえてその場でもんどり打っている。 「ヒカリ、何かいつもと違うと思ったらそれなのだ」 「い、いいから! いいから黙ってクロエちゃん!」 地声が大きいクロエを黙らせるように、ヒカリは真っ赤な顔のまま小声ながらも必死に 訴えた。 「なんで?」 「なんでも!」 ヒカリの必死の訴えが聞いたらしく、クロエはわけがわかってないようだったが、とり あえず頷く事にする。 「……わかったのだ…」 まだ合点いかないようだが、理由がわかるようになるまでにはまだ年数が必要だろう。 「ク、クロエ…、おまえいきなりなにやってんだよ…」 吹き出したものをそこの紙ナプキンで片付けたオセが、引きつった表情で隣に座るイト コの少女を見た。 「だって、なんかいつもと違うなーと思ったから確かめたのだ」 「おお……何てこった…、オレのスパゲッティが鼻から出したミルクにまみれちまった…」 ルークの方はそれどころではないようで、白い液体がかかった自分のペスカトーレスパ ゲッティを、紙ナプキンで鼻を押さえて、呆然と眺めている。 「うわー、きったねえなおまえ…なにやってんだよ……」 「だってよお、クロエがいきなりそんな事するなんて想像つくか?」 「いや、つかねーけど…」 さっきよりもさらに引きつらせた表情で、オセはルークの前にある白色の液体がかかっ ているスパゲッティを見た。 「どうすんだ、それ?」 「く、食える…かな?」 「そりゃ…食える食えないで言えば食えるだろうけど…」 しかし食べたいとはまったく思わない。 「ヒカリ…交換って…ダメ…かな?」 おそるおそる、ルークは自分のスパゲティの皿をヒカリの方に見せてみる。 「ダメだよ。だってそれ、こっちじゃなくてルークの落ち度じゃない」 あまり怒っている所を見せないヒカリだが、さすがにさっきの今では、不機嫌さを隠せ ないようだ。まあ、自分のところで生産したミルクを、目前で鼻から吹き出されたのもあ ったのかもしれないが。 「いや確かにミルクを鼻から吹いたのはオレだけどよお、その…きっかけの原因はおまえ かなーって…」 「なにそれ。原因もきっかけも私のどこにあるのよ」 まだ頬がちょっと赤いヒカリが珍しくルークにくってかかる。 「いやよ、ほら、だってよ。おまえの胸がいつもと違うからよー、ついついクロエが確認 のためにおまえの胸をぎゅっと……だ……なあ……」 ルークの言葉が綴られるごとに、ヒカリのこめかみに浮かぶ青筋が強く浮き上がってき て、それを隣で見ていたボアンは慌ててルークに口を閉じるように彼を引っ張ったが、時 既に遅し。 慣れない事で疲れていたし、いきなりクロエに胸をつかまれるなどで恥ずかしさと混乱 の後のルークの言葉は、温厚な彼女を怒らせてしまったらしい。 普段怒る事のない人が怒ると怖いという事実を眼前に叩きつけられ、ルークは言葉を失 いオセとボアンも顔を引きつらせた。クロエは、いまいちよくわかっておらず、ヒカリの 怒った顔に困った顔でオロオロしだす。 「すっ……スマン! すんません! 注文し直します! ごめんなさい!」 「わ、悪い、悪かった、な。こ、今度からはちゃんとクロエを監督しとくから、な?」 「ごめんなさいヒカリさん。その、二人とも悪気はないんですけど、えと、あの…ごめん なさい!」 大の男達が店員のメイドに向かってぺこぺこ謝り倒したものだから、一瞬だが店の注目 を浴びる。 「…ねーちゃん。めいどきっさって、客が店員に謝るのもそうなのか?」 ちょっと離れた席で、チョコケーキを食べていたタイムは、向かいにいる姉にルーク達 がヒカリに向かって謝り倒す姿を目で示す。 「…さあ……。違うんじゃないかしら……」 何をやってるんだろうと、アニスもほんの少し眉をしかめてその席の方を見た。 「けど……クロエよう……」 「ん?」 あの後ルークが追加で頼んだサンドイッチのランチセットと、クロエのお子様ランチだ けがテーブルの上には残っていた。クロエは食後のデザートのプリンをちょっとずつ食べ ながら、なぜかひそひそした小声で話しかけてきた隣のオセを横目で見る。 「さっきの……どうだった?」 「さっきのって?」 「だから、ほら、さっきいきなりやって騒ぎになったじゃねえか。アレだよ」 ルークとボアンは年齢(性別?)柄ピンときたが、クロエはまったくわからないようで、 きょとんとした顔で尋ね返す。 「アレって何なのだ。わからないのだ」 「だから、アレだよ、アレ。ルークが鼻からミルク吹き出しただろ。ソレの前だ」 「ん? ……ああー! ヒカリのおっ……むぐぐ」 クロエは声の調子を下げる事などしないので、その続きをその声量で言われてはたまら ないオセは慌てて彼女の口をふさいだ。 「むうー! むうう、うおうー!」 「とにかく、その事は口に出さなくていい。その感触だけ、な?」 オセも健全たる男子である。気にならないわけがない。それはルークとボアンも同じよ うで思わずずずいっと身を乗り出してクロエのセリフを待った。 「かんしょくってなんなのだー?」 やっと大きな手から解放され、クロエはやや大げさに息をつきながらちょっと口をとが らせる。 「ほら、な? おまえこう、手をのばしてぎゅっと思いっきり掴んだだろ。そん時クロエ がどう思ったかだよ」 「これか?」 わかっててやっているわけではないだろうが、クロエはあの時と同じように両手をのば してぎゅっとつかんだ真似をする。 「そうそれ!」 オセに指をさされると、クロエはちょっと考えこんだ。記憶を拾い起こしているらしい。 「…ふにゅってしてて…、やあらかかったのだ」 「!」 こんな子供に何を言わせているのかという感じだが、男3人はクロエの言葉を聞いてな んとも情けない顔を作る。 「?」 クロエは彼らの顔を見て怪訝そうな表情を作り、食べかけのプリンを口に入れた。 「…みんなキモチワルイのだ。何なのだ」 「! あ、い、いや、何でもねえ、何でもねえんだ」 「そーだそーだ。何でもねえヒカっ! …………何すんだよ!」 「それ言うな! おまえまたあいつを怒らせてぇのか?」 危うく何を口走るかわからないルークの足を踏んづけて、オセが抑えた声で黙らせる。 元々声がデカいルークにヘンな事を口走られたらまたヒカリに睨まれるかもしれないのだ。 「あ、おう……な、何でもねえ、何でもねえ」 オセの言いたい事を今日は理解して、ルークは思わず新しい客を出迎えているヒカリの 背中を見る。ルークもオセもそういう事に興味はあれど、彼女に嫌われたくはないのだ。 「食い終わったか?」 「うん!」 あの後、クロエはチョコケーキを食べたいと騒いだため、追加で頼んだらこれまたゆっ くり食べるため、彼女がやっと食べ終わった頃は、彼らが入ってきた時間からだいぶ経っ ていた。 彼女が食べるのに時間がかかるのは知っていたが、やはり待ち疲れはするものである。 オセは小さく息をついて立ち上がった。 ルークもボアンも嫌な顔を一つしないで、小さなクロエに付き合ってくれるのは、正直 オセも嬉しかったが、申し訳ない気持ちもある。 「すまねえ。勘定頼む」 「あ、ハーイ」 テーブルの上を台ふきんで拭いていたマイが気がついて、レジに向かった。 「俺とクロエの分と、こいつらとで支払いを分けてくれるか?」 「いいよ」 「俺はAランチセット、お子様ランチとチョコケーキだ」 「はいはい。えーと……全部で2300Gになりまーす」 マイは注文票を確認しながら、レジに金額を打ち込んでいく。それからルークとボアン もそれぞれ勘定を済まして4人はアルモニカから出て行った。 「ありがとうございましたー」 「ありがとうございました!」 「あ、ありがとうございましたー!」 マイは注文票を束ねて、4人の背中に向けて声をかけると、他の席で働いているキャシ ーとヒカリの声も追いかけてかけられる。 「ふー。だいぶ落ち着いてきたねー」 「そうだね」 もうお昼御飯の時間が過ぎ、サーカスの時間も近づいている。正午の目が回るような忙 しさは無くなり、席についている人もまったりモードで食事をする人でほとんどだ。 ヒカリは4人が出て行った扉をちらりと眺めて、空の食器を厨房の洗い場まで持って来 た。チハヤは料理の方も一段落したと見えて、食器洗いをしている最中である。 「洗い物…すごい量だね…」 「そりゃそうだよ。かき入れ時は洗うのなんておっつかなかったからね。汚れた食器もそ のまんまだったけど。今はだいぶ手が空いたし」 食べた後の食器が山と並び、ヒカリは改めてその量の多さに目を見張った。 「手伝おうか? 後はもうキャシーとマイに任せちゃっても全然大丈夫そうだし」 「ん?」 云われて、チハヤは厨房からホールの方をのぞき込む。なるほど、今は客もだいぶまば らになっているし、シーラなんか新しい客も来ないのでヒマそうに突っ立っていた。 「そうだね…じゃあ、お願いしようかな」 「うん。あ、キャシーに一言言ってくるね」 言って、ヒカリは厨房から出て行き、程なくして戻ってくる。そして、チハヤの隣に並 ぶと一緒に食器洗いを始める。ふとカウンターの方を見れば、ハーパーは売り上げの集計 を簡易的に始めており、なるほどこの企画も終わりに近いと知った。 「けど、どうしようどうしようって思ってるうちに終わりそうだよ」 「いつもの農作業とかの方がラク?」 彼女が一歩分離れた場所にいるのが、嬉しいようなもどかしいような。そんな感情を胸 の奥に引っ込めて、チハヤは彼女と会話する。 「楽かどうかわからないけど、とりあえず追い回されてる感じはしないなあ。やらなくち ゃいけない事はあるけど、陽が落ちるまでに何とかすれば良いし、待ってるお客さんがい るわけでもないしね」 「そうだね」 「チハヤはここに来る前も、こういう仕事してたの?」 「ん? …そうだよ。まあ、元々料理は好きだったしね。都会の料理屋で働いている時に ユバ先生の評判を聞いてね。やって来たわけだし」 「ふーん。ユバさんの評判ってすごいんだね」 「そうだなあ。まあ、実際に食べてみない事にはって、ここに住み着く前までは思ってた んだけどね。食べてみたら、なんか目から鱗が落ちたっていうか…この料理でこんな味が 出せるんだって、衝撃だったな」 他人に、こんなことしゃべるはずのない自分だったのに、彼女が話し相手だと不思議に するすると口から出てくる。 「へえ…。味覚が良いチハヤの事だから、私がわからない味のすごさとか、わかっちゃう んだね。私なんか、ユバさんの料理はただただとても美味しいってだけなんだけど」 「…まあ、世の中には壊れた味覚の持ち主ってのもいるくらいだから。美味しいってわか るだけでも良いとは思うけどね」 「味覚が壊れてるって?」 お皿を洗いながら、ヒカリがちらっとこちらに顔を向けた。 「細かな味の違いがわからないって云うのかな。普段から辛いモノばっかり食べてると、 ほんのり甘いとか、うっすらとした渋みとか、そのへんが全然わかんなくなっちゃうんだ よ。辛いモノに限らず、甘すぎたり、しょっぱすぎたりとか、味の刺激が強いものばかり 食べてるとね」 「ふーん……。…なんだか可哀相ね。あんなに美味しいユバさんの料理が、よくわからな いって」 「ははっ……そうだね……」 何がおかしかったかわからないけど、自分が尊敬する師匠を褒められて嬉しかったのだ と思う。チハヤは小さく笑った。 普段ならとにかくこなすだけの皿洗いが楽しい。話題がなくなっても、隣に彼女がいる だけでも嬉しい。さっきまでの忙しさに疲れてたはずなのに、なにも辛くない。 「まあ、ここに住んでれば美味しいものがわっ! ああ…」 「うん?」 いきなり、横でヒカリがおかしな声をあげたので顔を向けると、彼女は厨房の奥の冷蔵 庫の方を見ている。 「どうしたの?」 「なんか飛ばしちゃった。お客さんの食べ残しかな?」 飛ばして落としたらしく、ヒカリはしゃがみこんで落としたものを探しはじめた。 「……っ!!!」 放っておきなよと声をかけようとして、チハヤは思わず口をつぐませる。 ヒカリが落としたものはどうやら冷蔵庫の下に転がり込んでしまったらしく、それを取 るために這いつくばって冷蔵庫の下に手を伸ばしているのだが。 彼女は膝をつき、頭と胸を床にこすりつけてお尻を高くあげ、腕を伸ばしてもぞもぞと 動いているのだ。このメイド服を着たままで、なのである。 つまり。 短めのスカート下から、彼女の白い足がのぞいているのだ。お尻を覆う黒いスカートと、 その下に履いているフリルとレースで彩られたペチコートが揺れて、さらにその奥から伸 びるガーターベルトの靴下止めとニーソックスが、彼女の太ももで存在感を主張している。 そして彼女が動くたびに、中の下着が見えそうで見えないというギリギリの景色が、そこ にあるのだ。 このまま自分がちょっとかがめば見れる…! 見れるが……! ましてや膝をついて頭を床につけて、尻を高く突き上げるその格好というのは……。 ごくり……。 皿を洗うのを忘れ、チハヤは喉を鳴らす。 「んーっと……もう、ちょっと……かな……」 ヒカリはそんなチハヤの視線にまるっきり気づかずに、冷蔵庫の下の落とし物を引っ張 り出そうと必死だ。いつも作業着などの動きやすい服ばかり着ているから、その感覚が抜 けてないのだろうけど。 無防備にも程があるっ! チハヤは胸の内で叫ぶが、視線は一点に集中して釘付けだ。 かがむか!? このまま、かがむか!? そしたら見えそうで見えないものが……。 チハヤが焦りながらまごまごと迷っていると、ヒカリは目当てのものを引っ張り出した ようで、ぺたんとその場に腰を下ろしてしまった。 「取れた取れた。……やっぱりゴミかー」 やっぱりかがめば良かったか…。いやいやしかし、それがバレたらどう思われる事か…。 チハヤは思わず泡だらけのシンクに目を落として気づかれないように小さく息を吐き出す。 ヒカリは立ち上がると、そのゴミを捨ててまた洗い物に戻って来た。 「けどさ、やっぱ作った人としては、残されるとやっぱり悲しい?」 「え?」 彼女がガーターベルトをつけているという発見で頭がいっぱいだったチハヤは、ヒカリ の話を聞いていなかった。 「ん。だからさ。どうしても食べ残しちゃう人っているじゃない。残されるとやっぱり悲 しいかなって」 ようやっと思考をヒカリとの話題の方に強引に戻して、チハヤはしばし無言になって考 える。 「……ああ…うん、ま、そりゃね。でも、こっちもただひたすら作ってるだけだからね。 それが仕事なんだし。もったいない事してくれるなーとは思うけど」 「そっか…。私は一人暮らしだからさ、食べちゃうのも残すのも自分だから、特に何とも 思わないんだけどね」 「……じゃあ…今度は誰かのために作ってみる?」 「え? …そうだねー…。自分で作って自分で食べるだけだものね。前にチハヤに食べて もらった時は試験だったもんねぇ」 また一枚、皿を洗いあげて、ヒカリはその皿を既に洗い終えた皿の方に並べる。 「じゃあさ……」 そこまで言いかけて、チハヤは口をつぐませた。また料理の試験をしようかと言いかけ て止めたのだ。それでは前と進歩がない感じがする。…でも、それでも彼女と出会う日は また増える。せめてその時よりも親しくなれるというなら、もっと別の理由で……。 と、そこまで考えるがその別の理由とやらが思い浮かばない。いきなり僕のために料理 を作ってくれじゃ距離感がなさ過ぎる。 すると、無難なのはまた料理のテストという事になるだろうか…。 「どうしたの?」 チハヤが言いかけて止めてしまったので、ヒカリは彼の方を向いてのぞき込んできた。 思わずその視線に、チハヤは少し顎を引かせる。メイド服を着た可愛い彼女にのぞき込ま れると、気分は悪くないが心臓にちょっと悪い。 「あ、いや…。その、また……」 「チハヤ! 注文入ったよ! ランチセットBを用意して!」 言いかけた時に、カウンターの方からキャシーの注文が入って来た。良い所なのにとか 思っても仕方がない。チハヤは小さくため息をつくと、泡だらけになった手を水で流し落 とした。 NEXT>> |